横浜4大学対抗ビジネスプランコンテストを開催しました!
2022年12月17日、関内尾上町に位置するスタートアップ支援拠点のYOXO BOXにて、横浜未来機構と横浜国立大学共同主催となる大学対抗ビジネスプランコンテストを開催しました。
学生の起業支援及び大学間の交流促進を目的とした本イベントでは、神奈川県内4つの大学(神奈川大学、慶應義塾大学、横浜国立大学、横浜市立大学)の学生チームが集い、それぞれのビジネスアイデアを披露しました。
前年の留学経験をもとに着想したアイデアから、すでに開業し事業の拡大にかかっているチームまで、どのチームも15分のプレゼン時間を余すことなく活用し、審査委員長の伊藤 羊一さん(YOXOイノベーションスクール長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長/Zアカデミア学長)からは「4チームのどこもアイデアの着眼点が最高で、終始ワクワクした」とコメントをいただきました。
ここからは、今大会に出場した4チームの発表内容をご紹介します。
【Ra-view】VRを活用した英語学習コミュニティの提供(神奈川大学)
VR(Virtual Reality)空間のスペースを活用する英語学習コミュニティを提案した、神奈川大学の「Ra-view(ラビュー)」。必然的に英語を使わなければならなかった自身の留学経験から、「日本にいながら海外にいるかのような体験を」提供したいと発案したサービスです。
身体性を伴うVR上でコミュニティを作成し、授業の受講、相談予約、イベントの開催等を大学生を中心とした英語学習者に提供します。試作段階として、現在は既存のバーチャルSNSの運用を予定しており、「遊びと学びが融合したコミュニティを作りたい」と話しました。
【PocketPort】ボートレジャー2.0の創出(横浜市立大学)
プレジャーボートで海でのクルージングを楽しむボートレジャー。プレジャーボートを観光資源として広く普及させ、地域及びマリーナの活性化を志すのが、横浜市立大学のPocketPortです。「加山雄三や石原裕次郎が活躍した1960年代が1.0とすれば、僕たちはボートレジャー2.0を起こしたい」と話し、会場の空気を掴みました。
プレジャーボートを係留させるマリーナのオーナーから使わない船を借り出し、富裕層を中心に新しいボート所有のあり方を提案するビジネスモデルを構築中です。すでに三浦半島のマリーナと協働しており、富士山を眺望できるクルージングや油壺湾でのSAPといったイベント開催のように、マリーナを新たな観光目的地とする動きを進めています。
【Bestomel】エージェントベースシミュレーションとAIによる駐車場のダイナミック・プライシング(慶應義塾大学)
慶應義塾大学から今回出場したのは、コインパーキングや駐車場のダイナミック・プライシング(価格の最適化)の実現を目指すBestomelです。人の行動を再現するエージェントベースシミュレーションとAIによる、戦略最適化を組み合わせたコア技術を開発しています。
予測困難な需給によりこれまで適当な価格がもたらされていなかった駐車場料金をテクノロジーによって調整し、管理者には収益向上、利用者には恒常的な満車の解消といった価値提供を試みています。今後は駐車場料金のみならず、他のサービスにも転用できる拡張性の高いシミュレーション技術を開発していく、と話しました。
【DotDeli】キッチンカー事業のコンシェルジュ(横浜国立大学)
横浜国立大学の代表・DotDeliは、すでに開業しとあるイベントで日商40万円を達成したキッチンカーのコンシェルジュ事業を行うチームです。これまで情報の非対称性から新規参入が難しかったキッチンカー業界において、先輩との交流プラットフォームやホームページの制作サポート、車両の比較検討ができるサービスなどの提供を行っています。
車一台で開業可能かつ、非接触での受け渡しができるキッチンカー事業は現在大きく注目を集めており、東京都では移動販売店舗の数がここ10年で2倍に増加しているとのこと。成長中の市場を後ろから支え、また自分たちでもキッチンカーを運営しているDotDeliに、審査員も「事業の完成度が非常に高い」と舌を巻きました。
おわりに
第2回目となった今大会の最優秀賞は、プレジャーボートのシェアリングサービスを提案したPocketPortが選ばれました。最優秀賞チームには、ビジネスモデルを競う国際的な大会の日本予選・Japan Business Model Competitionへの出場権が授与されました。
伊藤審査員長 大会総評
「事業の着眼点はどのチームも最高で、皆さんと一緒に未来にどれだけ可能性を見いだせるかチャレンジしていきたい。学生起業家と言う言葉にとらわれず、学生が当たり前に起業できる社会になるまでサポートしていきます。」
大会後は交流会が開かれ、事業のブラッシュアップに向け前年度出場者や審査員と会話を弾ませている様子でした。
柔軟な発想と自身の原体験を織り交ぜた数々のビジネスアイデアが披露された今大会。今後も横浜発のスタートアップ創出に向け、市全体でサポートを続けてまいります。
文責:YOXOカレッジ起業部 大武和生